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WT(whiTEE):そもそもなぜアパレル業界においての三方良し*1を意識し始めたのですか?

 

まず経歴から話させて頂くと大学を卒業後は広告代理店でアパレルの担当をしていました。広告の仕事をしていく中でアパレル業界に魅力を感じ、転職をしました。入ってみると仕事が楽しくなってのめり込み、年商15億くらいのディレクターをさせてもらうまでになりました。量販店だったので、トレンドを追うために一ヶ月に20型くらい企画していました。なので、中国等の海外の工場に型を出して、1週間であげてもらうこともありました。実際、そのやり方は現実的でなく、しわ寄せがどこかに来ていました。

 

それを知ったのは、中国の郊外の工場に行った時です。現地の工場に中学生くらいの年齢の女の子が住み込みで働いている光景を見て、利益優先でビジネスをしていることの虚しさを感じました。また、同時期に自分自身も”作っては売る、売れなかったら処分する”といった早い消費サイクルに疲弊していることに気が付きました。

WT:その後はどうされたんですか?

 

そんな状況を見つめ直して今後の方向性を決めるためにファッションの中心であるヨーロッパに行きました。旅の途中に裏のアトリエで洋服を作って、すぐ前で売るというスタイルのお店を沢山目にしました。それを見た時に「本来のものづくりの姿はこれだな」と感じました。

自分たちの目に見える所、手の届く所でものづくりをして売るというのが本来あるべき姿であるにも関らず、企業だと非常にものづくりが大規模で見えなくなっていて、服の裏側を知るよしもありませんでした。まさか、中学生くらいの年齢の子が作っているとは思いもよりませんでした。

この時から”作り手も潤って、それを買い手も売り手も理解していることが理想だな”と思いました。そのような理由があり、買い手・作り手・環境社会の3点が繋がるようなブランドをやっていきたいと思うようになりました。

 

帰国後は5年程アトリエ制作を行うメーカーで働き、そこでのノウハウを活かして今回ブランドを立ち上げました。

 

WT:2017年9月にブランドを立ち上げたと伺いましたが、実際立ち上げてみてどうでしたか。

一つ、三方良しという軸があったのは大きかったなと思います。日本の多くのアパレルビジネスモデルが常に市場のトレンドやマーケティングありきのものづくりになっているので、作ったものがどこか他人ごとになってしまいリアルではないフェイクなものというか…。逆に自分の目で見たこと、感じたことはそう簡単にはブレないと思います。自分のブランドをやっていく上で、一本道筋を立てることは本当に大事なことだなと感じています。

 

公式サイトに詳細は記載しているのですが、armiでは

 

「JAPAN MADE」「SAFE&HEALTH」「DIVERSITY」「 ENVIRONMENT」「 SOCIAL CULTURE」

 

をキーワードに日本のものづくりやトレーサビリティ、適切な生産量でつくること等にこだわってものづくりをしています。

 

HARD MANという耐久性に優れた丈夫なモデル、SMARTは機能性と上質さを併せ持つモデル、そしてMOTHERというモデルはオーガニックコットン、ストレスフリー、安心安全をコンセプトに作りました。

 

この3つを軸としてこれから長袖にしたりと展開出来たらなと思っています。

WT:非常に思いが詰まったブランドですが、苦労されたことはありましたか?

 

本来やっているエシカル*2的な要素を全面に出してしまうと説教じみて、押し付けがましいものになってしまうなと思っています。なので、逆に切り口は「かっこいいな・素敵だな」というところでいいと思っています。そこをきっかけにこの商品を買ってくれて、その後に服の裏側を知ってもらえたらなと思っています。手にとってもらった以上は満足していただけるよう、素材や縫製など物のクオリティーに妥協せず、日々変わりゆく世の中の問題に目を向け、自分が出来る事でより良い方に向いていけるよう模索しています。

 

WT:たしかにメッセージの伝え方には工夫が必要そうですね。白Tシャツなのも何か、理由があったんですか?

 

三方良しが実現するために何が一番伝えやすいんだろうなと思った時に白Tシャツが一番いいなと思ったからです。というのも、”老若男女の誰でも年中いつでも着れて、そのプロダクトを通して想いを伝えられるもの”だからです。

WT:なるほど。白Tシャツはデザインの幅が他の商品に比べて少ない分、洋服の裏側に目を向けてもらいやすいですね。

 

そうなんです。armiでも商品の裏側のストーリーが分かる「旅するTEE」というメディアを始めたので是非御覧ください!

  

買い手も作り手も環境社会も。

三方良しの白Tシャツづくりをしていきたい。

アパレルの世界で活躍されていた河内さんの違和感を

きっかけに始めたブランド、armi(アーミィ)。

コンセプトありきではなく、

質にもこだわったTシャツづくりをされていました。

【HARD MAN】

CREW POCKET T 

mens/women/boys

¥7,500 税抜

【Smart】

V NECK T

mens/women

¥10,000 税抜

【mother】

CREW NECK T 

mens/women/boys

¥6,200 税抜

*1:《「さんぽうよし」とも》「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」。売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献もできるのがよい商売であるということ。近江商人の心得をいったもの。(コトバンクより

*2:《エシカル(ethical)は「倫理的・道徳的」の意》環境や社会に配慮した製品やサービスを選んで消費すること。「エシカル消費ファッション」(コトバンクより

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